MDディスクに関する質問
2000年7月10日改訂

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MDは帯磁しますか?
記録前のディスクの帯磁が もし有ったとしても 録音時にレーザーパワーを上げ
磁化膜の温度をキュリー点(180℃)以上まであげる為、磁性を失いますので関係ないと思います。

記録済みのメディアでは、帯磁などでデータが読みにくくなりエラーレートが悪くなり
直接的に音質に影響を及ぼすことも考えられなくは無いです が、おもちゃの棒ディスク
をキャディーの上から近つけてもほとんど影響が無いレベルです。 ディスク面に直接
磁石を付けると 常温でも磁化される可能性がありますのでご注意ください。

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古いMDメディアは劣化するのでしょうか?
メディア自身の劣化は、ほとんどないと思います。
始めからメディア自身のエラーレートが 高いとかじゃないでしょうか。
エラーレートが高い 200〜300くらいあると 音が歪っぽく聞こえたり
艶が無くざらついたりして聞こえるといったことは 経験した事があります
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MDは録再を繰り返すと音は悪くなるのですか?
ディスクの劣化といえる要因には、大きく分けて2つ有ると思います。

・MO膜の耐久性
・ディスクの摺動面の保護膜の耐久性。

      MO膜の耐久性については、Tb、Fe、Coから成る垂直磁化膜とエンハンス効果を
      もたらす誘電体膜は、PCの基盤(1.2mm)と約10μmの保護膜の間に挟まれていて
      直接周囲環境に曝されないため 純粋にオーバーライトの回数で耐久性を論じる
      事が出来る。耐久性を ディスクのエラーレートで考え劣化し出すところまでとすると 
      同一箇所で100万パス以上の耐久性があるといえる。
      しかし、実際のディスクの耐久性を決めているのは、保護膜側で これはMDを使う
      環境(温度、湿度、塵、埃)などで大きく変わるのではないでしょうか。?
      砂埃などを巻き込んでしまった場合 1パスで磁性膜を傷つけてしまうかもしれません。
      一般的に言えることは、 ヘッドの摺動摩擦力は、5〜10mN程度で JIS15種の
      塵埃をディスクに散布した場合でも 10μmの保護膜に対して 0.3μm/250時間ほどの
      磨耗と思われます。(≒8000時間:同一箇所)
      ちなみに、通常の部屋の環境では、0.01μm/400時間となり400000時間(45年?)
      普通に使っていれば劣化はほとんど無いといえるんじゃないでしょうか。
      でも、埃には注意した方がよろしいようで。

     一般的には、MO膜の耐久性 > 保護膜の耐久性 になると思います。

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MDは何回ぐらい録音(書き込み)が出来るのですか?
MDの規格書である「Rainbow Book」には100万パス以上と記されています。

100万パスというのは、規格で最低保証しなければいけない数値です。
規格書の2-10ページ

 2.14.10 Overwrite ability  >10^6times within spec. With non-contact magnetic head

とあります。

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ディスク何分のものが存在しますか?
現在ディスクには60分74分、そして80分が存在していますが、 
実は60分と74分のディスクは基本的に同じ物理構造をしています。 
ではなぜ時間が違うのか?それはディスクの回転速度(線速度)が異なるからです。 
ディスクの単位距離あたりの記録密度を変えています。 
<線速度> 
 60分:1.4 m/s 
 74分、80分:1.2 m/s             概念図

MDの0、1ビットの識別はSとNの違いで行われます。
図のように同じ情報を60分ディスクと74分ディスクで記録した場合、
ディスクの移動速度が遅い分、同じ距離でも多くの情報(紫色の部分)を
記録することが出来ます。
(SやNである距離は当然短くなりますが、システム内部でタイミングも
 遅くなるので情報的には同じことになります。)
 
しかし、74分ディスクは同じ距離に多くの情報を記録するために、SN間が
狭くなります。そのために若干ディスク感度が良くなっているようです。

80分ディスクではさらにトラックピッチを今までの1.6μmから1.5μmに
することにより多くの情報を書き込めるようにしています。
このトラックピッチはMDの規格内のものであり
(規格では1.6μm+−0.1μmなので、1.5μmは規格内になります)
基本的に全MDシステムで 対応しています。
 

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80分以上のディスクは存在しますか?これから発売されますか?
残念ながら80分59秒以上のディスクは存在も発売予定もありません。
80分ディスクが登場するまでに約6年の歳月がかかっています。それは何故でしょうか。

録音時間を延ばす話は「ディスクは何分のものが存在しますか?」でお話しした通りでが、
80分ディスクは同じ面積の所により多くの情報を書き込まなくてはなりません。
当然トラックピッチが狭い分、74分ディスクと比べると単位あたりの書き込める情報の面積は
さらに小さくなり、ディスクに十分な磁気感度が要求されます。60分や74分が発売された
当時では、この要求に応えられる磁気感度が得られなかったのです。たとえ可能な素材が
あったとしても民生用な価格にはならなかったと思います。

ではトラックピッチが1.5μmで回転速度をさらに落とすともっと時間は延びるのか?
可能かもしれませんが、現在では十分な感度が得られず商品にはならないでしょう。
今現在では期待薄の状態です。

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耐振構造の高音質MDはポータブルでも有効ですか?
 耐振構造の高音質MDは、シェがの振動を吸収することにより読み取りエラーを低減し、エラー補正に伴う電気的負荷(余計な電気を消費すること)を減らすことによって音質の改善を行うものです。

 ポータブルは持ち運ばれるため常にシステム全体が振動している環境に置かれていますが、耐震構造の高音質MDはこの振動を吸収することは出来ません。耐震構造はディスクの回転ムラなどで発生するディスクおよびシェルが発生する「微震動」を主に吸収するようになっています。

 MDは録音時の環境が再生時の音質に影響を与えます。MDに音楽を録音するとき本体に震動を与えては行けないのは鉄則です。(震動に強いはあくまでも再生時)みなさんCDからMDに録音する際はMD本体をテーブルなりに置いて録音していると思います。となると、持ち運び時に発生する大きな震動は発生しなくなり、その瞬間ポータブル機は据え置き機と同様の環境になります。となると、このときに起こりうる震動は上記のようなシェルやディスクの「微震動」だけです。

 つまり、ポータブル機でも耐震構造の高音質MDは「有効」と言えます。ただし、ポータブル機は構造的に据え置き単体デッキよりも劣っていることは否めません。いくら耐震構造のディスクでも据え置き単体デッキと比較した場合、ポータブル機での使用は性能を発揮できない、というより性能を越えた震動が発生してしまい、吸収しきれないことが考えられます。

 最近の普及帯のディスクでも耐震構造のシェルを用いているので、ポータブルでの使用ではそれで十分かと思いますが、予算が許せばTDK XA-PROのようなディスクを使用してみるのも良いかと思います。なおここでの話はポータブル機での自己録再の話で、録音は単体デッキ、再生はポータブルという運用の場合、耐震構造の高音質MDはかなり有効的ですので、ご使用をおすすめします。

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