MDについての話

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★項目
 【MDの魅力や欠点、詳細について】

 【MDの音質について】

 【私が勝手に思う、お奨めの高音質MDデッキ】

 【私が勝手に思う、お奨めの中堅MDデッキ】

 【オススメのポータブルMDプレイヤー】

 【MDデッキの最高機種】

 【MD(CDRも)の最大の欠点】

 【最後に】
 
 

 【MDの魅力や欠点、詳細について】
 私なんかが多くを語るより、以下のページを読んでみて下さったほうが、より詳細にMDのことが解り、魅力や欠点などを見いだせると思います。
私のページと相互リンクの許可をいただいている、ぷわりす氏の「気分はぷわぷわ」を是非お読みください。

 併せて、以下のデンデルモンテ氏のMDに完全否定的なページもご一読ください。これまたMDの善し悪しが解ります。


 

【MDの音質について】

 MDは、もはやATRAC TYPE-R DSPを搭載したデッキなら、ずいぶんデジタル臭さと生々しさの欠如が改善されたと私は感じています。ATRAC TYPE-R搭載機とそれ以前(ATRAC Ver4.5/4/3.5/3/2/1)とは大きく音質が改善されているように思います。これは、ATRAC4.5以降に内蔵された適応高域制御回路と、TYPE-Rは更に処理精度が2倍に高められたインテリジェント・ビット・リアロケーション・アルゴリズムのおかげで高域特性が良くなった(癖が減った)からだと思われます。実際、ATRACによる歪みを重点的にATRAC Ver3.5のMDS-JA3ESとATRAC TYPE-RのMDS-JA555ESを聴き比べてそう思いました。

 MDデッキの真の実力は、圧縮/間引きの録音のときが全てですから、録音(エンコード)のときに、最もそのATRAC Verの特色が顕れます。つまりは再生専用のポータブルMDの再生時の音質にも影響してくるのです。
 例えばATRAC TYPE-RのMDS-JA555ESで録音したMDを、得体の知れないATRACデコーダー搭載のいかなるMDコンポやラジカセで再生させても、ATRAC TYPE-Rでエンコードされた情報をただただそのままデコードし再生しているだけなのです。

 メカも進歩しました。SONYでいうなら、かつての最高機種のMDS-JA50ESより現行の低価格ESモデルのMDS-JA22ESの方が読み書き精度やエラー訂正やマージンや耐久性など良いメカを搭載しているとSONYのサービスマンは言っていましたし、普及クラスのMDS-S39などもかつてのMDS-JA3ESより遙かに進歩しているとSONYのサービスマンは言っていました。メカが良くなると音質もわずかに改善され、ディスクの銘柄で音が変わるというのも少なくなります。

 今やATRAC TYPE-Rや進歩したメカは、SONYでは中堅機にも搭載されるようになりました。ATRACの圧縮歪みだけなら、上位機と比べても大差はないのです。ただし、DACやアナログパーツのグレードの違いにより、相性が生じてしまってアラが目立ったり、音の厚み・低音・解像度・艶などには大差が出ます。
 

【私が勝手に思う、お奨めの高音質MDデッキ】
 ※SONY MDS-JA555ES(\120,000)やKENWOOD DMF-7020(\98,000)などMDにしては音質の良いデッキがありますが、この手の高価なデッキは、CDのダビングだけにしか使わない方にはオススメできません。高級MDデッキは、一期一会のFMラジオやBS/CSデジタルラジオなどの録音や編集も多用しつつ、CDのダビングもする、その他にADCやDACとしても使ったりするといった人にはお勧めですが・・、余程MDが好きな人や多用する人以外にはあまりススメにくいです。
 

【私が勝手に思う、お奨めの中堅MDデッキ】
・Pioneer MJ-D5 (\49,800)
 新世代ATRACの、ARTIST-SYSTEM搭載で音質も期待できる。しかもデジタルNR搭載で録音音質は良さそう。デジタルRECボリュームなど、機能は上位機並。 

・SONY MDS-JE630 (\54,000)
 いよいよ中堅機にも、ATRAC TYPE-R搭載。ATRACが進化したことによって、高級なDACユニットや高級なデジタル入力付きCDプレイヤーに接続して、そのDACで聴くとMDS-JA555ESなどの上位機を上回ることもあり得る。パソコンでの操作や、パソコンキーボード直接接続可能で編集性もアップ。

・SONY MDS-JA22ES (\89,000)
 ESモデルということで高価になるが、ATRAC TYPE-R搭載は勿論のこと、MDS-JA33ES/MDS-JA555ES並の高精度メカ搭載で、ディスクによる音質差が少なく銘柄を選ばない。そしてメカの良さと同軸デジタル出力から、TEAC VRDS-25XSやDENON DCD-S10IIIやMarantz CD-17DaやPioneer PD-HS7などDAC機能付き高級CDプレイヤーのDACモードを使えばMDS-JA555ESやDMD-S10を越える音質が得られる。上記CDプレイヤーをお持ちの方で、MDにも拘りたい方にはオススメ。とにかくSONYのサービスマンから聞いた話では、メカがかつてのSONYの最高機種だったMDS-JA50ES(\180,000)より良い物を搭載している。

・テクニクス SJ-MD150 (\6?,000)
 松下も独自の圧縮回路の、HDESというのを搭載し、主にヴォーカルなどの中高域の音質改善を狙ってきました。その他に目立った点はありませんが、ヴォーカル重視の方にはオススメだと思います。
 

【オススメのポータブルMDプレイヤー】
 ポータブルMDプレイヤーは、バッテリー駆動時間の長い機種や小型軽量のものなら何でも良いと思います。音質は各社殆ど似たような粗悪なもので、機能で選ぶとお得です。敢えて音質で選ぶなら録再型ポータブルMDでしょう。録再型は電池の駆動電圧が高めで、ヘッドホン出力も少し高めです。ほんの若干ですが、音質に有利です。
 ポータブルMDの良さを引き出すには、まずはイヤホンの交換です。イヤホン型で手頃な価格のものとしては、SONYのMDR-E888SP/LP(\8,000)が音質的にお得です。次に上記でも書いている、録音用に高性能高機能なMDデッキを使うことです。ATRAC TYPE-R搭載の中堅MDデッキがオススメです。録音音質も拘りつつ機能に徹するなら、SONYのMDS-JE630がATRAC TYPE-R搭載でパソコンでの操作やPS/2キーボード対応なのでオススメです。ポータブルやカー用途メインなら、尚更デッキにはあまりお金をかけずにMDS-JE630をオススメします。

 ※イヤホンとMDデッキはSONYをオススメしましたが、ポータブルMDに関しては他メーカーのをオススメします。なぜかって?、それは私の経験する限りでもSONYのポータブル機器は故障が早く壊れやすいからです。
 

【MDデッキの最高機種】
 ・DENON DMD-S10 (\230,000)
 DENON 高音質S10シリーズのMDデッキ。最新の高音質バーブラウン製24ビットDAC PCM1704を搭載。同社自慢のALPHAプロセッシングも、CDプレイヤーDCD-S10IIよりも更に進化した24ビット精度タイプを使用。単体DACとしても使えるので、安いCDプレイヤーやDATデジタルCSなども高音質で聴かせてくれるだろう。MDメカをオマケと考えてDACとして買う人もいるくらいである。
 音質は間違いなくMDではNo.1だろう。ATRACは不明だが、SHARP製のVer6(SONYでいう4.5相当)を使用していると思われる。これが、ARTIST-SYSTEMだったりATRAC TYPE-Rだったらもっと良かったかもしれない。しかし普通の人には次元の違う高値だ。化け物である。高性能な自作パソコンが作れる値段だ。これでMDS-JA50ESもNo.1の座から降りることになった。でも値段が値段だから、悔しい気もしない。

 ・SONY MDS-JA555ES (\120,000)
 上記DENON DMD-S10に対して有利な点は、圧倒的なメカの良さとATRAC TYPE-R搭載ということだろう。機能もPCリンクでSONYにしかない魅力を持っている。詳しくは「MDS-JA555ESの使用感想」のページを。

 しかしDMD-S10もMDS-JA555ESも、いまや高価すぎてオススメできません。DMD-S10は確かにDACや物量投入は素晴らしいですが、どうせならCDプレイヤーにDAC入力機能付きの高級機種を買って、廉価MDデッキをそのCDプレイヤーのDACで聴くというやり方がお得です。例えばMDデッキはMDS-JE630に留めておいて、CDプレイヤーにDENON DCD-S10IIIとかTEAC VRDS-25XSとか。
 MDS-JA555ESクラスの場合もそうです。MDS-JE630にmarantz CD-17DaとかPioneer PD-HS7の組み合わせが良いと思います。

 CDプレイヤー側にDACモード付きの高級機を持ってくることで、廉価MDデッキの音質向上も、なによりCDやCD-Rの音質向上が図れますので、やはり高級MDデッキは誰にでもススメられるモノではないです。
 

【MD(CDRも)の最大の欠点】
 最大の欠点は音質でもなく(笑)、機械/録音機の故障が発生しやすいということです。MDは録音時にピックアップの温度がかなり上昇して、CDプレイヤーなどの再生専用とは違って負担がかかります。そしてピックアップが消耗し壊れるのです。
 ピックアップの故障は判りにくく、音飛びなどはまだ可愛いですが、いきなりTOC書き込みエラーで全曲消えたりとかします。曲が消えてしまうのが一番タチが悪く、折角の録音作業の苦労が水の泡です。
 しかも知らず知らずのうちに、ディスクへの記録能力が衰え、エラーレートという数値が上がってゆきます。エラーレートの基準は通常100という値以下らしいですが、徐々にピックアップの消耗で上がってゆき、音飛びやTOCエラーなどの末期になると900から2500という数値になります。流石にこれくらいの悪数値にもなると、機種によっては再生できないということになってきます。そのエラー値のディスク、MDS-JA555ESなら難なく再生できましたが、MDS-JA50ESでは無理でした。
 「うーむMDなんか信用ならん、じゃあCD-Rデッキだ!」と言ってもそれは同じ事です。SONYのサービスマン曰く「それはCD-Rデッキにも当てはまります。」とのこと。ただしパソコン用のCD-Rドライブは別で、今では8倍速書き込みとか12倍速書き込みと高速になり、つまりは記録時間が短いのでピックアップの消耗回避に有利です。
 つまり光モノにも欠点は存在するのです。メディア自体の耐久性は抜群です。しかし記録時に問題が生じては話になりません。この点は音質低下こそしても再生可能なアナログカセットの方が有利です。

 これからの光モノの録音機には、是非ともピックアップの消耗具合を数値で表示してくれる機能とか、ディスクのエラーレートの数値表示機能などを追加してもらいたいものです。TOCエラーや音飛びを未然に防ぐためにも、絶対欲しい機能です。  

【私の理想の録音機について】
 私の希望は、もはや640MBのMDでなく(どうせ今までのと互換性もなくなるし)、30〜60GBのHDDを内蔵したオーディオCD-Rデッキで、一旦HDDに蓄えて編集できて最後にCD-Rに12倍速ムーヴ(移動という形でHDD内のデータを消す)して焼くという便利なものが発売されることを願っています。30〜60GBという数字は、MP3形式へ変換してのムーヴ機能も視野に入れた希望です。
 もちろんパソコンでは既に可能な機能ですが、より簡単に録音できて、そしてムーヴにてSCMSを機能させるという意味でも価値あると思います。

 現在のオーディオCD-Rデッキに、上記のようなHDD内蔵で、MD並の高度な編集機能が付けば、ディスクのサイズを除き便利さと高音質が両立できます。特に今まで不得手だったトラックマークのタイミングが解消されると思いますので、良いとこ取りの録音機になるかと思います。

 ・・・とは言いつつも、将来はどうなるか判りません。音楽は当然買って手に入れるものですし、録音やダビングといったものがなくなりそうな気もします。ゆくゆくは狭い日本での個人宅で録音物を保管するというより、レコード会社の音楽サーバとかに蓄えられたものを有料で好きなときに好きな曲をダウンロードするのが一般化するかもしれません。今の携帯の着メロみたいに。ネットのパイプが太くなり価格も引き下げられると、次第にそうなってゆくかもしれませんね。

【最後に】

 一部のマニアの方は、MDがオーディオ界を没落させたとおっしゃる方もいますが、私の場合はMDのきっかけでピュアオーディオに染まってしまいました。MDでピュアオーディオを知り、ほかに単品のアンプ・スピーカー・CDプレイヤーを購入したのですから、微力ですが低迷するオーディオ業界に少しは貢献したと思っています。私以外にも、同じようにMDがきっかけでピュアオーディオに興味を持たれる方もおられるかもしれません。温かい目で、MDというメディアを見てもらいたいものです。

 もしかしたらMDを開発した人は、音質は犠牲になるけど、人々がMDによって音楽を聴く事がより手軽になり、より音楽が身近に楽しめるようにと、そういう意味で音楽・オーディオを真剣に考え、心を込めて作ってくれたのかもしれません。MDが商売になる、売れまくるということは、結果的に、多くの音楽・オーディオ好きな消費者の気持ちや考えを、素晴らしく反映したものだったと思います。

 はっきり言いましょう、単品オーディオが衰退したのは、パソコンの影響です。機械としての面白さ、自作すること、所有欲はパソコンの方が圧倒的におもしろい要素があると思います。パーツ1つ替えるだけで、大きな変化が楽しめますから。ということで、メーカーの責任ではありません。もちろん、MDの責任でもありません。文句を言うなら、パソコン業界に言いましょう。
 高価なパソコンと単品オーディオを両立できるのは、一部の大金持ちくらいです。かつてはオーディオに凝っていた人達も、いまごろはオーディオはミニコンポにとどめ、パソコンの自作機を作ったりネットなどに時間を費やして趣味を楽しんでおられるのだと思います。
 ※実は私は車は一応スポーツカー乗りですが、最初にアルミをインチアップしただけで、あとは最低限のオイル交換やエレメント交換やATF交換などしかしていません(^^; 本当はサスの強化やエアロなどチューンナップしたいのですが、する余裕なんてとてもありません。オーディオやCDソフトと情報交換で生活の一部であるパソコンだけでもカツカツなのです(T^T)
 


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