74分ディスクを利用して80分のディスクを作る方法は外国のページである
「MiniDisc Secrets -- Jam 80m16s on your MDs!」によって広まりました。
このページでは74分ディスクの未使用領域にも音楽データを記録することにより
80分の長時間録音を可能にしていましたが、この未使用領域も音楽データエリア
として扱うようにするためには、UTOCにその情報を書き込まなくては行けません。
しかし、この情報を作成するには改造したMD-DATAドライブや専用ユーティリティを
用意しなくてはならず、またクローンを作るにも改造されたマスターディスクの入手する
必要がありましたので、まぁ不可能に近い状況でした。
でもそんなこんなしている間に、正式に80分ディスクが発売されてしまい、
とりあえずは改造やクローンなど考えなくても良くなってしまいました。
これではつまらない!?やっぱり、74分ディスクに74分以上の
音楽を入れていたい!未使用領域というのがちゃんとあるのか?を確認してみたい!
ということから、クローン技術を使って74分ディスクのさらなる長時間録音を実験してみました。
さてさて、作成するにあたりどうしたらいいのでしょうか?
・正式な80分ブランクミニディスク(1枚)・・・ソニープリズム「MDW-80H」を用意
・普通の74分ディスク・・・壊してもいいように適当にあったやつ(^^; 三菱化学「M74MD」
・録音可能なデッキ・・・クローン操作するのに都合のいいやつ、ソニー「MDS-102」
Step1:MDデッキのふたをはずそう!
MDS-102のねじを取り、上蓋をはずします。なぜはずすか?これは後でのお楽しみ(^^:
Step2:80分ディスクを挿入!
1)ふたの開いているMDS-102に正規の80分ディスクを入れます。当然買ったばかり、
もしくはBLANKDISC状態にしたものです。
2)そして適当に数秒間録音します。これはUTOCに開始アドレスとブランクアドレスを
記録するためです。
3)一度ディスクを取り出し、もう一度ディスクを挿入します。表示には「トラック1」と
録音した数秒間の時間が表示されます。
4)エディットモードでディスクネームを入力します。スペース1個で十分です。
すると「UTOCが変更されてます」の表示が点灯します。(見にくいですがTOCと表示されています)
Step3:74分ディスクを挿入します!
ちょっ、ちょっと待って下さいよ!80分ディスクは抜かないんですか??
そうです。ここがポイントです。そのままイジェクトすると80分ディスクにUTOC情報が
書き込まれて、ディスクが出てきます。・・・だからどうしたの状態になってしまいます。
ここでふたを開けた意味が出てきます。
1)ディスクローディングメカニズムを手でゆっくり操作し、ディスクをイジェクトします。
MDS-102の場合、メカニズムのサイドに黒いレール上のものがあるので、本体
手前に押してあげると、ディスクがイジェクトされます。
2)そしてディスクが出てきたら、74分ディスクに差し替えます。このとき強く押しては
行けません。止まる所までゆっくり差し、後は1)で手前に押したレールを今度は
元の位置まで戻してあげます。するとディスクは飲み込まれて、80分ディスクが
あった状態と同じになります。
Step4:74分ディスクをイジェクト!
後はもう簡単!イジェクトボタンを押して、UTOC情報がディスクに書き込まれ
出てくるのを待つだけです。
こうして出来た74分ディスクが、「80分クローン」になるわけです。
ケンウッドDM-9090に挿入!・・・Remain:74分xx秒!!??!!?
がびーーーん!ケンウッドは認識していないじゃん!
※備考:xx秒とは「3.作成作業のStep2の3)」で録音した数秒間を差し引いた時間です。
結論!ケンウッドはTOC情報とUTOC情報を確認していて、TOC情報の正式な
録音可能時間から、UTOC情報に書き込まれた使用した時間を差し引いた
時間をRemainとして表示していると考えられる。
ということで、いにしえのMZ-1で録音テストです!なんでMDS-102じゃないのかって?
角端子to角端子の光ケーブルがもうなかったんだもん(T_T)
角端子toミニジャックの光ケーブルがあったのだ。
順調に、順調に録音されています・・・74分59秒を越えました!!まだ録音しています!
これはこれはと思った途端!!「EMERGENCY
STOP」・・・・・・・・・・どうしたん?
システムはハングり、今までの録音記録がぱぁー(泣)
そしてもう一度トライし、ハングりポイントを追跡!
その結果、録音可能時間が判明!「78分46秒」でした。
80分クローンなのに、何で「78分46秒」なのか?・・・答は簡単です。
私のページをくまなく見ていただいている方なら、もうお分かりですね。
検証1)
3.作成作業のStep2の3)で、UTOCに開始アドレスを指定しています。
つまり80分ディスクだろうが、74分ディスクだろうが開始アドレスは
同じになっているということです。
検証2)
未使用領域はリザーブエリアとAIGPエリアです。
でもディスク構造から見ると、リザーブエリアは録音開始アドレスより前に存在します。
つまり、このクローンでは使用されないということです。とすると残るはAIGPエリアです。
検証3)
AIGPエリアは「116クラスタ(2.04秒×116クラスタ=236秒)」です。
74分ディスクの正式な録音時間:74分59秒。
AIGPエリアの録音可能時間:236秒=3分56秒
ゆえに、74分59秒+3分56秒=78分55秒
再生では私の持っている、どの機種でもAIGPエリアは問題なく再生できました。
ケンウッドDM-9090では、録音されている時間も78分47秒と表示されました。(1秒違う??)
ただし、Remainの時間は00:00でした。
今となっては74分オーバーディスクを無理矢理作成する必要は無くなりましたが、
ミニディスクの構造がさらに理解できるようになりました。
次への挑戦は80分ディスクのAIGPエリアの探求でしょうか・・・。