このページはminidisc.orgにおけるFAQのMDLPに関しての内容を、ぷわりすが作者の許可を得て独自に翻訳し掲載しているものです。
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MiniDisc “Long-Play” Mode FAQ
2000 8月

Original MiniDisc ``Long-Play" Mode FAQ

1. MDLPって何ですか?
2. MDLPはどんなエンコーダーを利用しているのですか?
3. ATRAC3? ATRAC2はどうしちゃったんですか?
4. この新しいLPモードで録音したトラックは、古いMD機器で再生できるのですか?
5. LPモードで録音したトラックを古いMD機器で再生した場合、何が起こりますか?
6. MDLP対応機で今までのディスク(SPモード)は再生できますか?
7. MDLP対応機で今までの録音方式(SPモード)で録音できますか?
8. ビットレートはどのぐらいですか?
9. そうなるとLPモードでは設計の不備からディスク容量の10%が無駄になるではないか!
10. なぜLPモードには録音時間が2倍のモノラルモードが無いのですか?
11. もしLP4モードの左右チャンネルが混じった圧縮をしているなら、それはどのようなチャンネルセパレーションになっているのですか?
12. LPモードの音質はどのぐらい高品位ですか?
13. MDS-W1はLPモードのトラックを移動できますか?
14. どのMD機器がLPモードを採用しているのですか?
15. もう少しATRAC3について知りたいんですが?

1.MDLPって何ですか?

Minidiscの長時間再生モードです。
ミニディスクにおける新しい録音形式で、最高160分のステレオ録音可能なLP2モード、
最高320分のステレオ録音可能なLP4モードがあります。
LP2モードはステレオ圧縮(左右音は独立)で、LP4はJoint-Stereo(左右の音を同時にひとまとめにして圧縮する方式)
になっています。

2.MDLPはどんなエンコーダーを利用しているのですか?

"ATRAC3"といわれるのもので、
ソニーのメモリースティックウォークマン、VAIOミュージッククリップ、ネットワークウォークマンなどに使われています。

3.ATRAC3? ATRAC2はどうしちゃったんですか?

ATRAC3として改名されました。
音声圧縮は発展しているコンピュータプログラムと切り分けるラインは無くほとんど変わらない。
けれどもたぶん、蓄積されたフォーマットに互換性が無くなったとき、それらを改名することは相当である。
ATRAC2(手短に記したものとわずかな詳細)が既存のATRACシステムと異なるところが2つあり、
ウィンドウのサイズ(1024samples [23.2ms], vs. 512 samples [11.6ms])と
トーンコンポーネントとスペクトラデータを分けで圧縮することです。

ATRAC2が今までに製品に採用されたかは不明であるが、たぶんソニーのMSC-MD1と
シャープのMD-PS1のMDデジタルカメラの音声記録用に使ったであろう。
ATRAC3の構造(ソニーのATRAC3情報ページに記載されている)が、ATRAC2に非常に類似しているように見える。
(短い解説文にはATRAC2との相違に関しては書かれていない)
MP3の人気のもと、ソニーが高圧縮コーディングとして売り込むため
ATRAC3として改名したのが理由と考えることも可能である。
また改名した本当の理由は、今まで以上にATRAC3に関する資料が利用できれば明白になるだろう。

4.この新しいLPモードで録音したトラックは、古いMD機器で再生できるのですか?

出来ません。

5.LPモードで録音したトラックを古いMD機器で再生した場合、何が起こりますか?

無音が再生されます。
例えばLPモードで20分のトラックは、LP2で10分の無音再生、LP4で5分の無音再生です。

6.MDLP対応機で今までのディスク(SPモード)は再生できますか?

可能です。

7.MDLP対応機で今までの録音方式(SPモード)で録音できますか? 

可能です。

8.ビットレートはどのぐらいですか?

通常のATRAC(SPモード)は292kbpsです。LP2モードは132kbps、LP4は66kbpsです。
LPモードのビットレートは2倍録音できるから、4倍録音できるからと言って単純に
292kbpsの2分の1、4分の1の値ではありません。それはLP2とLP4モードの場合、
212Byteの"soundgroup"毎にダミーのデータとして20Byteの無音情報が含まれ、
通常のATRACで再生した際にこのデータを通常のsoundgroupsとして扱い、
SPモードとの互換性を保持するために使われます。
これはLP2/4で録音されたトラックを非MDLP機に於いて、無音として再生することを許しています。
非MDLP機でLPモードで録音したトラックを再生した際、デジタル的雑音を出さないようにするためです。

9.そうなるとLPモードでは設計の不備からディスク容量の10%が無駄になるではないか!

はい。
ソニーはプレイヤーに対して未知のトラックは無視するという"フラグ"をオリジナルのMD仕様書に
定義することは容易に出来たはずである。とにかく彼らはこの可能性を見落としてしまった。

10.なぜLPモードには録音時間が2倍のモノラルモードが無いのですか?

LP4モードで圧縮を高めるために、左右のチャンネル間の音の類似する部分を共通化して圧縮する
「Joint-Stereo」方式を用いています。そのため、容量はモノラル信号を圧縮したときは2:1ではなく、
幾分増加しまする。これと微少な容量の増加などの複雑さが加わり、ソニーはLP4のモノラルモードは
採用しなかったと見受けられる。
LP2モードでは左右独立で使用しているのでモノラルモードは採用できると思うが、今のところ
ソニーからはそのような機器は提供されていない。
11.もしLP4モードの左右チャンネルが混じった圧縮をしているなら,
それはどのようなチャンネルセパレーションになっているのですか?
分かりませんが、2つの全く無関係な左右チャンネルの信号を圧縮しても、
とんでもない結果にはならないであろう。

12.LPモードの音質はどのぐらい高品位ですか?

LP2は伝えられているところによれば、ATRACに非常に近い水準であるようです。
LP4はかなり人工的な感じになっていますが、ポータブル機器などへの応用が適しています。

13.MDS-W1はLPモードのトラックを移動できますか?

今のところ分かりません。
LPモードオーディオが、通常のATRACデータ(無音だけど)として見えるとすれば、
ディスクの間でトラックを動かすことは可能であろう。

14.どのMD機器がLPモードを採用しているのですか?

See Tさんの MDLP Equipment Table を参照してください。

15.もう少しATRAC3について知りたいんですが?

Sony's ATRAC3 information page を見てください。


いつでも私はソニーエンジニアリングからのご指摘、ご修正があれば心から感謝いたします。-Eric Woudenberg (日本語版:ぷわりす

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