録音・編集・操作に関する質問
2001年03月03日改訂

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MDは曲を消した分、その時間だけまた録音できるのですか?
 基本的に可能です。
 仮に74分のMDが録音時間いっぱいに録音されているとします。このMDの3曲目(3分)と
 7曲目(4分)を消せば、7分の曲がもう1曲録音できることになります。

 しかしMDは数秒単位で曲を管理しているため、多少の誤差が発生する場合があります。
 削除時間より長くなることは絶対ないので、削除する時間より数秒もしくは十数秒短いとお考え下さい。

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曲順を変更したり、編集(曲分割・結合・削除)などをしたMDは、ポータブル機などで再生するとバッテリーの消費は多くなるのですか?
 はい、なります。
 MDは断片化した曲でもメモリーに蓄積することにより、あたかも連続しているように再生します。
 当然断片化したデータはディスクのあちらこちらに点在するので、ピックアップはそのデータを
 連続するように読みとっていきます。当然そのときピックアップはたくさん移動しますので、
 電力が余計に消費されます。
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倍速(4倍速)でCDからMDに録音できる製品がありますが、これらには
「CDからMDへ一度、倍速(4倍速)で録音すると、同じCDは録音を開始した時点から
74分間は、倍速では録音することができません。」とありますが、何故ですか?
 著作権保護に対するひとつの対策です。
 MD誕生時から倍速ダビング(もしくはそれ以上)は可能でしたが、短時間でMDへの
 ダビングが可能になると、短時間で複数のMDでダビングが可能になることから、海賊版発生へ
 つながる恐れがあると考えられていました。そのため今まで倍速ダビングは採用していませんでした。

 最近になって倍速ダビングが可能になったのは、やはりCDレコーダの登場のせいでしょうか、
 MDならではの売り文句にしたいためだったのでしょう。しかしやはり著作権保護は重要課題であるため、
 何らかの対策をとる必要があったのだと思います。その解決策がコレというわけです。

 基本的に個人で楽しむのだから短時間に複数のMDに録音する必要はないので
 等速ダビングしたのと同じようなタイムラグを付加したと思われます。
 等速なら今までの機器でも複数MDへのダビングは可能ですから。
  ※ソニーではH.C.M.S(ハイスピード・コピー・マネージメント・システム)と呼んでいます。

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MDのデジタルダビングは音質劣化しないですよね?
 そうとも言えません!
 MDに限らずデジタルの複製にも音質劣化は発生しうる可能性がありますが、
 ほとんどの場合エラー訂正により100%コピーできると考えて良いと思います。
 ただし、記録時のデータ欠落などエラー訂正が行われない状態の場合はその限りではない。

 しかしMDの場合、デジタルダビングをする際には次のような構成が考えられます。
 
    [MDデッキ出力]−−−DIGITAL−−→[MDデッキ入力]

 もっと詳しくすると、

 [DISC→MEMORY→ATRAC]−−−DIGITAL−−→[ATRAC→MEMORY→DISC]
 
 ここで注目するのは、再生側のMDはすでにATRACによって圧縮行程を通過した出た
 音楽データですので、MD同士のコピーでは最終的には(録音側のMD)の音楽データは
 ATRACを2度も通過してきたものになるのです。
厳密に書くと下記のようです。
 [CD]−S/P DIF仕様DIGITAL→[ATRAC→MEMORY→DISC
                                    [DISC→MEMORY→ATRAC]−S/P DIF仕様DIGITAL→[ATRAC→MEMORY→DISC]

  ※強調しているDISCは同じものです。
  ※はじめの[CD]−DIGITAL→[ATRACは、[アナログロース]−ANALOG→[ADC→ATRACに置き換えても可。
 ATRACは再生(デコード)のみなのでバージョンには依存しないため、音質にはあまり影響しない。

 録音・再生側の各のARTACバージョンが同じであった場合の誤差は少ないと思いますが、
 録音機側のARTACバージョンが低い場合は間違いなく音質の劣化は起こります。
 コピーによる音質劣化と言うよりもATRACの性能による劣化でしょうか。
 実際5回ぐらいコピーを繰り返すと、実用には耐えられないようです。
 
 ただ、この音質劣化はかなり小さいのでほとんどの場合、気にならない程度だと
 思いますが、まぁ通常のデジタルコピー(リニアPCMを用いる場合)とは
 若干異なることだけは覚えていておいてください。
 ハッキリ言えば、
MDはデジタルコピーでも音質の変化(劣化)が発生するということです。

 ※あれ?と思った方、第2世代のデジタルコピーと出来ないんじゃなかったかな?
 ※ここではしかるべき対応により第2世代のデジタルコピーを行うことを想定しています。
 ※なお、この「しかるべき対応」についてはここでは省略させていただきます。
 

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MDはテープのように早送り再生・巻き戻し再生出来ますか?
 可能です。
 
しかし曲が断片化しているような時には音が途切れたりします。
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デジタル接続で録音したトラックと、アナログ接続で録音したトラックを結合(COMBINE)した場合、結合後に出来たトラックは「デジタル接続によるコピー」で他のMDにコピー出来ますか?
 出来ません。
 トラック結合をする際、1つでもデジタル録音されたトラックを含んでしまった場合、
 その結合後のトラックは「デジタル接続で録音されたもの」と言う扱いになり、
 他のデジタルメディアへの「デジタル接続によるコピー」は出来なくなります。
 当然結合部分を寸分狂わない位置で分割しても、アナログ接続で録音したもの
 という扱いには戻りません。

 またMD機器によっては「デジタル接続で録音したトラック」と「アナログ接続で録音したトラック」の
 結合を許可しない場合があります。すなわち質問内容の第一段階すら出来ないことがあります。
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友人のMD(ディスク)は80分ディスクなのに、それ以上の時間が録音されています。長時間ディスクが発売されたのでしょうか?
 それは、「モノラル録音」か、MDLPモードによる録音です。
 MDの録音モードで「アナログ接続」による録音の場合、ステレオ(2ch)録音とモノラル(1ch)録音を選択することが出来ます。モノラルモードはステレオにおける2チャンネルを交互に使用するため、理論上ステレオでの録音時間の倍、すなわち80分ディスクならば最長160分のモノラル録音が可能になります。モード切替についてはお持ちの機器の取扱説明書を参照してください。

 ステレオ録音とモノラル録音は同じディスク上に混在できますので、ディスク表示時間よりも長い録音が可能になり、一見(80分を越える)長時間ディスク?と思えてしまうことがあります。なお、ステレオ録音とモノラル録音は混在できますが、
録音モード異なるトラックの結合(Combine)は出来ませんのでご注意ください。

 もう一つの可能性は「MDLPモード」による録音です。MDLPモードはATRAC3圧縮を用いることにより、ブランクディスクの2倍もしくは4倍の時間録音することが可能です。ただし、圧縮率が大きいため通常の音質よりかは劣ります。
MDLPについてはこちら
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「アナログ録音」「デジタル録音」って、何ですか?
 「アナログ接続による録音」「デジタル接続による録音」ということです。
 MD(ディスク)にはカセットテープのようなアナログフォーマットによる録音は出来ません。確かにS/Nという磁力を与えますが、記録されるデータはデジタルデータですので「デジタル録音」しか出来ません。
 よってMD関連で出てくる「アナログ録音」「デジタル録音」はすべて「アナログ接続による録音」「デジタル接続による録音」という意味です。CDから光ケーブルで接続して録音したら「デジタル録音」、ラインケーブル(赤白のピンジャック、3.5mmミニジャック等が付いたケーブル)を使った録音や、マイクでの録音は「アナログ録音」になります。
 
 
「アナログ接続」「デジタル接続」ってどういう意味ですか?を参照して下さい。
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S.Fエディットって何ですか?
 録音済みディスクを後から録音調節する機能です。今までは録音時にRECボリューム等を調節してディスクに記録していましたが、S.Fエディットは録音後からでも音量調節が出来ます。
 簡単に言うと生成される圧縮データの中で音量を記録している要素、すなわちスケールファクター(S.F)が独立して存在しており、この部分の数値を変化させることにより録音後でも記録されている音楽の音量を変化させることが出来ます。この操作が可能なのはノーマルATRACで記録されたトラック(モノラル2倍長録音も含む)のみで、MDLP(ATRAC3)には対応していません。それはMDLPのATRAC3はこのようなスケールファクターという領域を持っておらず、音量ひっくるめて圧縮していますので、その部分だけを後から変更することが出来ません。

 厳密にはスケールファクターは音量データではなく、各スペクトルのレベルを決定づけるための正規化情報で構成されています。つまりどの音成分をどのぐらいのレベルで表現するかの情報なので、音成分に影響を与えず結果的に音量だけを変化させることが出来ます。
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S.FエディットはMDLPで録音したトラックに使用できますか?
 出来ません。
 S.Fエディットが可能なのはノーマルATRACで録音したステレオおよびモノラルのトラックしか対応していません。
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S.Fエディットの処理は、すぐ終了するのですか?
 S.Fエディット対象のトラックとほぼ同等の時間が必要になります。
 S.Fエディットは今書き込まれている情報を読み込み、音量情報を変更した後再び書き込む(書き戻す)ため時間がかかります。読み込み&書き込みの動作を行って同じ時間なので、各プロセス倍速で行われていると推測できます。 
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モノラル(ATRAC2倍長モード)は左右のトラックを交互に使っていると聞きますが、再生すると右左交互に音声が聞こえるのですか?または片側からしか聞こえないのですか?
 大丈夫です。
 両方のスピーカーからモノラル音声が聞こえます。ただしかなり昔のモノラル未対応機の一部で左右別々の音声が聞こえたり、2倍速の速聞きみたいになったりしたものがありました。
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デジタルCSの「スターデジオ」からMDに録音しているのですが、音量が小さくて困ります。
 CSデジタル放送では突然の大音量(出力)による機器への障害防止のため、あえて音量(レベル)を落として送信しているようです。そのためMD機器の録音レベルを調節しないで録音した場合、通常のCDからの録音に比べ音が小さくなります。
 今現在発売されている録音可能なMD機器には「デジタルRECボリューム」と言われるデジタル接続での入力音量(レベル)を調節することが出来る機能が装備されています。この機能を使いMD機器本体のレベルメーターやモニター音を確認しながら適度な音量に調節し録音します。スターデジオの場合チャンネルによって音量が異なりますが、平均「
+8〜13dB」位でメーターが±0付近に上がります。
 「デジタルRECボリューム」機能が無いMD機器の場合は「アナログ接続」による方法で接続し、アナログ録音ボリュームを調節するしかありません。
 大量の曲(トラック)の音量調節には不向き(あまり作業時間的に実用的ではない)ですが、録音後に録音レベルを調節することが出来る「スケールファクターエディット(S.F Edit)」機能のあるMDデッキもありますので、これを利用するのも良いでしょう。


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